- 6月 14, 2025
- 6月 15, 2025
小児のアトピー性皮膚炎について
【どんな病気?】
・かゆみのある湿疹が、慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気
・皮膚のバリア機能が低下しており、外部からの刺激で炎症が起きやすい
・治療は薬物療法、スキンケア、悪化要因の対策
・治療の中心はステロイド外用薬。しっかり塗布して、ゆっくり減量
・近年はステロイド外用薬以外の選択肢が増えてきている
*さらに詳しく知りたい方は以下をご参照ください*
【アトピー性皮膚炎とは】
・かゆみのある湿疹が、慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気
「かゆみのある湿疹」
赤い、小さいブツブツ、皮膚がカサカサ、皮膚が厚くなる、かさぶたができる
「慢性的」
1歳未満 2か月以上、1歳以上 6か月以上継続していると慢性的
・かゆみのある湿疹が左右対称にあらわれるのもアトピー性皮膚炎の特徴
【治療】
①薬物療法 ②スキンケア ③悪化要因の対策
①薬物療法
・皮膚の状態(赤み、荒れの強さなど)に合わせて治療薬の種類・強さを選択する
・ステロイド外用薬が中心
アトピー性皮膚炎の治療の中心はステロイド外用薬
ステロイド外用薬の強さ(ランク)はⅠ群〜Ⅴ群の5段階
強さはⅠ群(strongest)が一番強く、Ⅴ群(weak)になるほど弱くなっていく
当院ではⅢ群(strong)・Ⅳ群(mild)を基本とし、Ⅱ群(stronger)は短期間使用
・非ステロイド外用薬の選択肢も増えてきている
タクロリムス軟膏(プロトピック®)
2歳から使用可能。2歳以上15歳以下は0.03%、16歳以上は0.1%。
デルゴシチニブ軟膏(コレクチム軟膏®)
生後6か月から使用可能。1度に塗布できる範囲の上限あり。0.25%と0.5%の2種類
ジファミラスト軟膏(モイゼルト軟膏®)
生後3か月から使用可能。1度に塗布できる範囲の上限なし。0.3%と1.0%の2種類
・塗布量について
チューブタイプの外用薬の場合、塗布する人の人差し指の第1関節分の薬の量(1FTU)が、手のひら2枚分の面積を塗れる量という目安
・ステロイド外用薬による治療
まずは連日1日2回塗布。
その後、2日に1日塗布→3日に1日塗布→1週間に1日塗布→頓用の塗布というように、徐々にステロイド外用の頻度を減らしていく
外用薬を塗ってすぐきれいになっても表面の炎症がおさまっただけで皮膚の深部ではまだ炎症が残っている。そのため、しばらく使用してからゆっくり減らしていく必要がある。
ステロイドを塗らない日でも保湿剤は継続する。
・非ステロイド外用薬による治療
はじめからジファミラスト軟膏などで治療開始する場合もあり
【治療目標】
湿疹などの症状が出ない状態、日常生活に支障がない状態を目指す